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視力発達が盛んな時期(生後1〜7歳)に治療を始めることが効果的です。

こどもの弱視について

「弱視」とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力がでない目のことを言います。
裸眼視力が0.1以下であっても、眼鏡やコンタクトレンズで矯正して1.0以上の矯正視力がでれば「弱視」ではありません。

人間は生まれてすぐから、はっきり見えているわけではなく、生後1~2カ月くらいで、ものの形や色が分かるようになり、4カ月ぐらいで動くものを追って目を動かせるようになります。 1~2歳ぐらいの頃は、まだ解像度が低い見え方で細かい視標の判別は困難ですが、3~4歳くらいまでに1.0の視標が判別できるぐらいの矯正視力を持つようになり、最終的には両眼視機能(立体的にものを見る力)も含めて、6歳ぐらいまでに「視機能の発達」が完成します。

こどもの「弱視」にはおおきくわけて

1)「未熟児網膜症、先天奇形」など器質的な障害や疾病によるもの
2)「遠視や乱視といった屈折異常」が原因となって視機能の発達が途中でとまっているもの
の2種類があります。こどもの「弱視」で多いのは後者です。

幼少期に何らかの原因でピントのあった鮮明な像が網膜に映されないままだと、細かいものを見るための脳や神経の働きが十分に成長せず、視機能の発達が途中でとまってしまいます。

▧豆知識

「弱視」であっても、よほど重症でないかぎり、見にくそうにしている幼児はあまりいません。特に片眼だけ悪い場合はなおさらです。両親も異常に気付かず、子供が「弱視」と言われても疑問をもたれる場合も少なくありません。

幼児期に弱視を早期発見・治療できるよう明石市や加古郡などでは3歳児検診の際に「オートレフ検査」という屈折異常を器械で測る検査を取り入れています。「オートレフ検査」は機器が非常に高額ということもあって、この検査を導入できている自治体は全国的にもまだ少数です。

幼稚園や保育所での視力検査で異常が見つかり、早めに治療が開始できればまだ良いのですが、小学校以降で「弱視」が見つかった場合は、手遅れで治療をしても作用がでないこともあります。そのため、「3歳児検診にオートレフ検査を取り入れること」、「幼稚園・保育所などでの視力検査で異常が見つかった場合は”弱視”でないかどうか、早めに眼科で精密検査を受けること」が推奨されています。

 

 

こどもの弱視治療

「遠視・乱視などの屈折異常」により、視機能の発達がとまっている状態の「弱視」であれば、視機能の発達が完成する6歳頃までに「眼鏡をかけて、網膜にピントのあった鮮明な像を映す」ことで、矯正視力が向上して「弱視を改善すること」が期待できます。

ただし、6歳ぐらいまでに「矯正視力の向上」は、ほぼ頭打ちになり、それ以後の改善は難しくなってくるので、それまでに治療を完了しなければなりません。 弱視治療の基本は、まずは眼鏡装用です。眼鏡で矯正して網膜にピントをきちんと合わせ、鮮明な像を脳に送り、視機能の発達を促すことが必要です。

片方の目のみが特に悪い場合には、健全な方の目をアイパッチで遮閉したり、アトロピン等の目薬をいれて一時的に見えにくくしたりして、悪い方の目の発達を促す方法をおこないます。

弱視や斜視があると両眼視機能(両眼で立体的にものを見る力)の発達も十分でないケースが多くあります。

両眼視機能も、6歳ぐらいまでにきっちり獲得できないとそれ以後の発達が期待できなくなります。斜視の程度が大きい場合は幼少期に斜視手術が必要なケースもあります。

教科書的には6歳ぐらいまでに良好な「矯正視力」や「両眼視機能」を獲得しないとそれ以後の発達は困難とされていますが、実際には8~9歳児で治療が有効であったケースも報告されていますので、小学校低学年以下であれば、あきらめずに治療をおこなうことが推奨されます。

当院では原則として6才未満の弱視斜視診療は予約制にしています。待ち時間がないので、お子さまが検査に集中しやすくなります。また、他の患者さまと別室で検査をおこない、親御さまが検査中も常に立ち会いできるようにしており、お子さまが不安なく集中して検査を受けやすい環境を整えています。
字ひとつ視力表や森實式ドットカードなどを備え、幼児の特性にあわせた視力検査が可能です。