レーザー治療 網膜裂孔・網膜円孔 網膜の変性・萎縮によって生じる穴(=網膜円孔)と、硝子体と網膜が癒着していて網膜が硝子体にひっぱられて生じる裂け目(=網膜裂孔)に大別されます。眼球打撲の衝撃によって生じることもあります。放置すると網膜剥離をおこしてくるため、穴の開いた周囲をレーザー凝固することで、拡がるのを防ぐことができます。 糖尿病眼合併症 代謝異常に伴い網膜に異常をきたす疾患です。年間3,000人の日本人がこの病気で失明しており、成人の失明原因の第2位を占めています。 病状が進行した場合、新生血管の発生予防や視力低下の原因となる黄斑浮腫の軽減・消退を目的として網膜光凝固術をおこないます。 分類 眼底所見 自覚症状 単純網膜症 網膜小出血、毛細血管瘤、硬性白斑(蛋白質・脂肪の沈着) ない 前増殖網膜症 網膜小出血の拡張・閉鎖・走行異常、軟性(綿花様)白斑 ほとんどない 増殖網膜症 新生血管の発生・硝子体出血・牽引性網膜剥離 軽度から重度の視力低下、ときに失明 緑内障 眼圧(目の中の圧力)などの影響により、気づかないうちに視野が狭まってくる病気が緑内障です。この中でも危険な状態として、急性緑内障発作があります。突発的に視力低下に陥るものです。それを防ぐ方法として事前のレーザー治療があります。 茶目の部分にレーザーで小さな穴をあけるこの治療は、発作やその影響の予防につながります。 後発白内障 白内障手術の後に眼内レンズの前後に薄い濁りが発生し、視力低下をきたすことがあります。 これを後発白内障といいます。1~2分程度のレーザー治療によりその濁りを取り除くことで、また明るい視界を取り戻すことができます。 結膜母斑・色素沈着 結膜母斑・色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー手術治療 レーザー照射を併用した治療により、結膜母斑・色素沈着(白目のシミ)をとることができます。 結膜色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー治療は、日本では殆ど普及しておらず、ご本人が悩んで眼科に行かれても「放っておいても大丈夫」「お薬では治らない」「切るとよけいに充血が目立つ」などと言われるだけで、そのまま放置せざるを得ないのが実情でした。 当院では、結膜色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー治療をおこなっております。 治療の流れ ① 術前検査・カウンセリング まず一度、診察にご来院ください。 各種検査と診察をおこない、治療が可能なものか、どのような治療が適しているかを判断し、医師が詳しく説明します。診察後に手術日および術後通院のスケジュールを決定します。 ※組織増殖を伴いレーザー照射のみで改善が見込めない場合は「結膜腫瘍摘出術」などの手術治療が必要なことがあります。 また、色素沈着の強い方は、まれに緑内障や眼底疾患の合併症を生じることもあるため、必要に応じてそれらの精密検査を追加させていただきます。 ②手術 点眼による局所麻酔をおこなったあと、レーザー照射および組織除去をおこないます。程度の軽いものでは約10分程度で終了します。範囲が広い場合は複数回にわけて照射をおこないます。(1回につき0.5c㎡以下が目安)両眼ある場合、1週間以上あけて片眼ずつ治療をおこないます。 ③術後診察 通常の場合、翌日・1週間後・1ヶ月後に検診をおこないます。 色素沈着の大きさ・程度により、必要な通院期間・回数がかわりますので、手術申込み時に医師より説明させていただきます。 手術後しばらくの間は充血・異物感が続きます。翌日から通常どおりの生活に戻れますが、症状軽快までの間は点眼加療が必要です。小さなものでは約1週間程度、比較的大きなものでも2週間ぐらいまでに、照射部位の色素沈着や充血・異物感が軽減します。 1週間検診の際に作用が不十分であれば追加照射をおこないます。初回照射から1ヶ月以内の「同一部位への追加照射」には追加費用は必要ありません。