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主な疾患

白内障

白内障の手術

白内障手術は水晶体の濁りを取り除き、人工の水晶体(眼内レンズ)を移植する手術を行います。網膜や視神経、角膜などの他の部分に問題がなければ、視力改善が期待できます。手術手技が進歩し、超音波水晶体乳化吸引術と折りたたみ眼内レンズによる小切開手術により、手術後の改善が格段に早くなりました。手術時間は5~20分程度で入院なしの日帰り手術が可能です。通常の場合は翌日、3日後、1週間後、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に検診を受けていただきます。目の状態が安定するまでは点眼治療が必要です。両眼手術する場合は1週間ぐらいあけて片眼ずつ行います。

当院の白内障手術について

注射針を使わない点眼麻酔+前房内麻酔による手術
当院の白内障手術の麻酔は点眼麻酔+前房内麻酔で行います。
注射針を使わないため、麻酔時の痛みもほとんどなく、快適に手術を受けていただくことが可能です。特殊なケースを除き、手術前後・手術中も点滴や注射はおこなわず、点眼薬と飲み薬だけの投薬方法を選択しています。
光眼軸長測定装置による度数決定
当院では眼内レンズの度数決定に光干渉式眼軸長測定装置を導入しています。眼内レンズの度数決定が不正確だと、手術後の見え方に大きく影響しますが、光干渉式眼軸長測定装置により、誤差の少ない眼軸長測定が可能となり、精度の良い眼内レンズ度数決定が可能になりました。
水晶体超音波乳化吸引装置による低侵襲な手術
白内障手術に習熟していれば、よほど古い装置を使わないかぎり、手術結果に差は出ません。むしろそれ以外の要素が手術結果に影響を与えると考えています。現在私はStellaris Elite Systemを使用しています。

眼内レンズと手術後の眼鏡について

一般的な眼内レンズの場合

眼内レンズ(人工水晶体)は若い人の水晶体のように厚くなったり薄くなったりしてピントを調節する力がありません。 老眼が進んだ目と同じで、見るものの距離にあわせて眼鏡を上手に使うと、さらに良好な視力を得ることができます。

通常はピントを「やや遠方~中間距離に合わせた」眼内レンズを挿入する場合が多いですが、左右のバランス、手術前の度数、御本人の御希望、職業上の理由などにより、「近くにピントを合わせた」眼内レンズを挿入する場合もあります。

手術前の検査で眼内レンズの度数を決定しますので、挿入する眼内レンズの度数をどのようにあわせるかについては手術前に医師とよくご相談ください。

非球面眼内レンズ(単焦点眼内レンズ) 健康保険適応
従来からの球面眼内レンズでは、レンズの中心部と周辺部での結像の違いから生じる球面収差により、特に瞳孔経が大きくなる夜間や薄暗いところでは見え方の質の低下がみられましたが、収差を少なくする非球面構造により、コントラスト感度や像の鮮明度がアップします。

多焦点眼内レンズの場合

眼鏡なしで遠くも近くも見やすくなる「多焦点眼内レンズ」がございます。レンズに遠方にピントがあうゾーンと、近方にピントがあうゾーンをつくることで、両方の領域をカバーします。

 

「眼鏡をほとんど使用しなくて済む」というメリットは大きく、その人のライフスタイルによっては一つの選択肢になります。

各眼内レンズの長所・短所

単焦点眼内レンズ 多焦点眼内レンズ
長所 解像度、コントラスト感度に優れている。 眼鏡ナシで、遠くも近くもある程度よく見える。
欠点 ピントの合う範囲が狭いため、見る対象の距離によって眼鏡の併用が必要。 単焦点眼内レンズに比べてコントラスト感度や解像度が劣り、ハローやグレアを感じやすい傾向がある。
費用 健康保険適応 ※安価 選定療養  

緑内障

緑内障とは

緑内障は何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気です。眼圧の上昇が原因の一つといわれており、 日本人の中途失明原因の第二位となっています。
また、2002年に多治見市で行われた大規模検診の結果では、40歳以上の有病率は5.78%で、約16人に一人の割合で緑内障がある、 ということが明らかになりました。

緑内障の主な原因としては眼圧の上昇が挙げられますが、眼圧とは一体何でしょうか?

下図の水晶体前面にある前房の中は水でみたされています。
この水を房水といい、眼の中で血管のない所へ栄養を運ぶ役割を持っています。房水は毛様体でつくられてシュレム管を通り眼の外へ排出されます。

しかし、何らかの原因で房水がきちんと外に流れ出ないと、房水は逃げ場を失い、眼の中でどんどん増えていきます。その結果、眼の中の圧力(=眼圧)が上がって眼の奥にある視神経を圧迫して傷めます。正常な眼圧は10~21mmHgとされますが、 なかには正常な眼圧なのに視神経を傷める緑内障もあります(=正常眼圧緑内障)。

緑内障の種類

🔷原発開放隅角緑内障

房水の出口である線維柱帯が徐々に目詰まりし、眼圧が上昇します。ゆっくりと病気が進行していく慢性の病気です。

🔷正常眼圧緑内障

眼圧が正常範囲(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます。これを正常眼圧緑内障と呼び、開放隅角緑内障に分類されます。 近年行われた全国的な調査の結果から、緑内障の約6割が正常眼圧緑内障であり、また欧米にくらべて日本人に多いらしいことがわかりました。

🔷原発閉塞隅角緑内障

隅角が狭くなり、ふさがって房水の流れが妨げられ(線維柱帯がふさがれて)、眼圧が上昇します。慢性型と急性型があります。

🔷先天緑内障

生まれつき隅角が未発達であることからおこる緑内障です。

🔷続発緑内障

外傷、角膜の病気、網膜剥離、目の炎症など、他の目の疾患による眼圧上昇や、ステロイドホルモン剤などの薬剤による眼圧上昇によっておこる緑内障です。

緑内障の検査

緑内障は、眼圧検査、眼底検査、視野検査等で診断されます。定期検診などでいずれかの検査に異常があった場合、もう一度診察を受けるようにしましょう。

❏眼圧検査
眼の固さをはかる検査です。正常な眼圧は10~21mmHgとされています。 直接眼の表面に器具を当てて測定する方法と、眼の表面に空気を当てて測定する方法があります。
❏隅角検査
角膜と虹彩の間(隅角)の広さを調べる検査です。
❏眼底検査
視神経の様子を調べる検査です。緑内障の場合は視神経が萎縮し、視神経乳頭の陥没が見られます。 当院ではより精細な眼底の観察が可能なOCT (Optical Coherence Tomography)による視神経線維層解析を導入しています。機器の飛躍的な進歩により、緑内障診療には欠かせないものとなってきています。
❏視野検査
視野の欠損(見えない範囲)の存在の有無や大きさから、緑内障の進行の具合を判定します。当院では、判定結果のコンピューター解析が可能なハンフリー静的量的視野計と、進行した視野欠損の計測に適したゴールドマン動的量的視野計を導入しています。

緑内障治療について

緑内障の治療は病気の進行をくい止めるため、眼圧を低くコントロールすることが有効とされています。 治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。レーザー治療や手術を受け、眼圧が下降しても、その作用が維持されるとは限らず、 再度手術を行う場合もあります。

🔶点眼薬・内服薬

通常はまず、眼圧を下げる点眼薬で治療します。眼圧を下げる点眼薬には房水の産生を押さえるものと、房水の流出を促すものがあります。
場合によっては2~3種類の点眼薬を併用することもあります。点眼薬では作用が不十分な場合は、内服薬を用いる場合もあります。

また、緑内障は眼圧以外にも血流障害が悪化要因になることが知られており、血流改善を促す薬を使用することもあります。また緑内障で機能が低下した視神経・網膜に対し、ビタミンB12製剤などが処方されることもあります。

🔶レーザー手術

急性緑内障発作を起こした場合や、発作を起こす可能性の高い眼(房水の通り道の狭い眼)の場合、レーザー光線で虹彩の根部に小さな穴を開けて、新たに房水の通り道を作ります。また、房水の出口である線維柱帯にレーザー光線を照射し、その熱凝固によって房水が外に流れ出る抵抗を減少させて、流れをよくする方法もあります。

🔶手術

薬物療法やレーザー治療を行っているにもかかわらず、眼圧が高かったり、視野が狭くなっていったりする場合には、手術も考えます。
広く行われている術式は、大きく分けて2通りあります。眼圧を下げるために房水を外に排出する通り道を形成する濾過手術と、房水が流れ出るときに通るシュレム管のフィルター(線維柱帯)を切開して房水の通りをよくする流出路再建術です。

また、房水の通り道に虹彩が癒着して、外に排出されないために眼圧が上昇している場合には、虹彩と隅角の癒着をはがして、房水の通りをよくする手術もあります。
この他にも緑内障手術の術式はたくさんありますが、その方の病状に合わせて慎重に選択します。

網膜硝子体疾患

代表的な網膜硝子体疾患

網膜剥離
網膜が剥がれてしまった状態です。ほっておくと失明することもあります。
糖尿病網膜症

糖尿病は血管が傷つく病気です。健全な血管がないと、健康な体は保てません。糖尿病になると、眼内に出血、増殖膜による網膜剥離など色々な合併症をおこします。

黄斑前膜・黄斑上膜・網膜前膜

網膜の中心部分に膜が被さった状態が特に問題となります。ものが歪んで見えたり、視力が低下します。失明することはありません。
なお、黄斑前膜・黄斑上膜・網膜前膜はどれもほぼ同じと考えてください。

黄斑円孔

黄斑の網膜に孔が開いた状態です。近視が強くない限り、網膜剥離に発展することはほとんどありません。

しかし早期に手術した方が、より良好な視力を残せる確率が高くなります。

ぶどう膜炎

眼内に炎症が出て、眼内に濁りが出ることがあります。原因の精査と治療が必要です。

網膜静脈閉塞症

体には動脈と静脈があります。眼内の静脈が閉塞した状態が、網膜静脈閉塞症です。逃げ場所をなくした血液と血液成分は網膜内にあふれ、視力低下やゆがみを起こします

硝子体出血・硝子体混濁
硝子体出血は主に眼内の血管が切れることによって起こります。原因として、糖尿病網膜症、裂孔原性網膜剥離、網膜細動脈流破裂、加齢黄斑変性、ぶどう膜炎等で発症します。

硝子体手術について

🔷適応疾患

硝子体手術は、硝子体及び病的な組織を取り除くことで病気の原因を除去することを目的としておこなわれます。 適応疾患としては網膜剥離、糖尿病網膜症、黄斑円孔、黄斑前膜、ぶどう膜炎、網膜静脈分枝閉塞症、硝子体出血、硝子体混濁などがあげられます。

🔷手術方法

硝子体手術は約40年以上前に認められた手術ですが、眼科治療の中では経験と技術が必要とされる手術治療の一つです。最近では機器の改良、進歩に伴い手術方法も適応疾患も変わりつつあります。

手術は白目の部分に1ミリ以下の傷口を4箇所つくり、1箇所に注入針を固定して灌流液を入れ、残った3箇所から眼内を照らす照明器具と硝子体カッターを挿入します。

その後、角膜上にのせた特殊なコンタクトレンズを通して、眼内照明を頼りに硝子体カッターで硝子体を含め出血や増殖膜を細かく切りながら吸引切除します。

状況に応じて専用の眼内セッシを使用して網膜上にある非常に薄い膜組織の除去等を行います。手術時間は症例により異なりますが約20分から1時間で終了します。

結膜疾患

結膜母斑・色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー手術治療

レーザー照射を併用した治療により、結膜母斑・色素沈着(白目のシミ)をとることができます。

結膜色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー治療は、日本では殆ど普及しておらず、ご本人が悩んで眼科に行かれても「放っておいても大丈夫」「お薬では治らない」「切るとよけいに充血が目立つ」などと言われるだけで、そのまま放置せざるを得ないのが実情でした。
当院では、結膜色素沈着(白目のシミ)に対するレーザー治療をおこなっております。

翼状片・瞼裂斑の手術治療

翼状片は、白目(結膜)の部分が異常に繁殖して、角膜(黒目)の上にかぶさるようになってしまう目の病気です。
屋外での紫外線、コンタクトレンズ長期装用などで目への刺激が多い人がなりやすい病気ですが、進行すると角膜に歪みを生じて視力低下をきたすため、手術治療が必要になります。

 

外眼部疾患

麦粒腫・霰粒腫(ばくりゅうしゅ・さんりゅうしゅ)の手術

まぶたの腫れや腫瘤は俗に「めばちこ」「ものもらい」「めいぼ」などと呼ばれています。
麦粒腫は、眼瞼の一部が化膿して、腫れたり痛んだりするものです。
霰粒腫は、眼瞼の中に分泌物が溜まり小さな固い腫瘤(しゅりゅう)ができるもので、痛みはありませんが、化膿すると麦粒腫と同じように腫れたり痛んだりします。

もし、化膿して赤く腫れて痛みを伴う場合は、抗菌剤の点眼や眼軟膏での治療が必要です。症状の激しいときは内服薬(抗生物質,消炎剤など)で炎症を抑えます。痛みが強いときは冷やすのもよいでしょう。

膿(うみ)がたまって腫れが強い場合には、切開して膿(うみ)をだす必要があります。点眼麻酔などをして注射針やメスで小さく切開して膿(うみ)を出します。早ければ数日間で治りますが、こじらせてしまうと、しこりが残ってしまうことがあります。残った腫瘤が大きな場合は瞼を切開して切除します。

視力検査など、他の検査などをおこなった場合は別途費用が必要になります。

眼瞼内反症・逆まつげの手術

まぶたが内側に向いていると睫毛が目の表面に当たることで、異物感、まぶしさ、目脂が出るなどの症状が現れます。切らずに縫合する埋没法や皮膚切開法などの手術方法で症状を改善することができます。

※眼瞼内反症手術は、術前検査をおこなったのち、日程を予約しての手術になります。

眼瞼下垂症・老人性眼瞼皮膚弛緩症の手術

年齢と共に上まぶたを引きあげる筋肉が劣化したり、上まぶたの皮膚がたるんだりすると、視野を遮って見えにくくなるだけでなく、無理にまぶたをあけようとすることで疲労感が強くなったりします。
こういった症状がある場合、眼瞼下垂症手術により症状を改善することが可能です。

※眼瞼下垂症手術は、術前検査をおこなったのち、日程を予約しての手術になります。

🔶提携クリニックについて🔶
美容目的とする二重まぶた等の眼瞼手術、他院で手術したあとの修正・先天性眼瞼下垂などの難症例については、提携先のカネモリ眼科形成外科クリニックを紹介させていただいています。(詳細は下記ボタン↓↓)

近視進行予防

子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸長が伸びる)ことで、ピント位置がずれることにより生じるケースが多くあります。近くを見ることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸長が伸びてしまうと戻ることはありません。眼軸長が伸びることによって将来、網膜剥離、近視性黄斑変性、緑内障等の疾患が増加するとの報告が多数あります。そのため、眼軸長の伸びを抑えることが近視の進行を抑制するためには重要となります。

現在当院で行っている近視進行予防

🔸生活指導

🔸低濃度アトロピンによる近視抑制

🔸オルソケラトロジー

🔸遠近両用コンタクトレンズ

🔸クロセチン内服

🔸上記の複合

 

生活指導

見るものとの距離をなるべく離すことが重要です。携帯ゲーム機を20cm以下の距離で長時間使うことはやめましょう。大きなテレビに映して離れて操作するゲーム機なら問題ありません。
本を読まないわけにはいきませんが、眼と対象物が30cm以上離れるようにして作業をしましょう。寝転がって読むと距離が近くなりがちですから、机に向かい姿勢を正して本を読むのがお勧めです。部屋の明るさ自体は近視と無関係のはずですが、暗いと読む距離が近くなりがちですから適正な明るさは必要です。
外で遊ぶことは近視の抑制できわめて重要です。近視進行抑制のために1日に2時間以上屋外で遊ぶことが推奨されています。

低濃度アトロピンによる近視抑制について

低濃度のアトロピン(0.01%0.025%)を配合した点眼薬は小児期の近視進行を軽減させることを目的で、Singapore National Eye Centre (SNEC:シンガポール国立眼科センター)の研究に基づいて開発されています。

 

■低濃度アトロピンによる近視抑制が行われる理由

低濃度アトロピンは、近視の進行を遅らせる(眼軸長の伸展を抑制する)という点で統計的にも臨床的にも有意義な働きが確認されている治療法の一つです。適正な濃度(0.01%0.025%)のアトロピンを配合する事により、近視の進行スピードを抑えると同時に、アトロピン1%点眼薬よりも副作用を軽減しています。

☑重篤な副作用の報告はありません。

この薬の本来の作用により、一時的に瞳孔(黒目)が大きくなりまぶしく感じますが、数時間でほぼ正常な状態に戻りますのでご心配ありません。

☑近視の進行を平均約15~60%軽減させる良好な点眼薬と言われています。

0.025%製剤は0.01%製剤と比べ、より優れた近視抑制作用を示すことが確認されていますが、0.01%製剤よりもまぶしさを感じやすくなる場合が多く、当院では現在採用していません。

■低濃度アトロピン治療について

シンガポール、および香港で行われた研究結果については以下の報告がありました。

🔶点眼終了後、目の遠近調節機能の低下、および瞳孔がひらき続けてしまうという報告はありませんでした。

🔶アレルギー性結膜炎、および皮膚炎の発生は殆どありませんでした。

🔶眼圧に影響を与えるという報告はありませんでした。

🔶白内障を発症させるという報告はありませんでした。

🔶電気生理学上、網膜機能に影響を与えるという報告はありませんでした。

■オルソケラトロジーについて

現在のところ、単独では実用可能で最も確実な近視進行抑制法です。作用機序は軸外収差(網膜周辺部における網膜後方へのピントのずれ)の抑制とされています。日中は裸眼で過ごせるため、サッカーや水泳などのスポーツをする子供に特に向いています。やや高価で、通常のコンタクトレンズ同様、感染症予防のために洗浄・消毒が必要となります。近視進行抑制率は35%程度とされています。

 

■遠近両用コンタクトレンズについて

作用機序はオルソケラトロジーと同様、軸外収差の抑制で、抑制率もオルソケラトロジーに近似しています。通常のコンタクトレンズ同様、洗浄・消毒が必要です。近視進行抑制率は35%程度とされています。

 

■クロセチン内服について

慶應義塾大学と大阪大学、ロート製薬の研究グループは、クチナシ由来の色素成分「クロセチン」が小児の眼軸長伸長・屈折度数の近視化を有意に抑制することを発表しました。ロート製薬から発売されているサプリメントを当院でも取り扱っています。

 

■複合的な近視抑制

低濃度アトロピンとコンタクトレンズ(オルソケラトロジーまたは遠近両用コンタクトレンズ)を組み合わせることによって70%以上の高い近視抑制効果が報告されています。クロセチンの内服も加えれば更に高い抑制効果が期待できます。

オルソケラトロジー

オルソケラトロジー治療プログラムのご案内

オルソケラトロジーとは??
➣近視および近視性乱視の角膜に、特殊なデザインのハードコンタクトレンズを就寝時に装用することで、角膜の形状を一定期間変形させ、日中裸眼で過ごせるようにする視力矯正治療です。

特徴
⽇中裸眼で⽣活ができます
・コンタクトレンズ装⽤中では挿せない⽬薬が使⽤できます。
・スポーツ時の眼鏡やコンタクトレンズが気になりません。
装⽤をやめれば⾓膜形状は元に戻ります
・レーシック(⼿術)と異なり形状が元に戻ります。
・毎⽇〜数⽇に⼀度(個⼈差がございます)装⽤をしなくてはいけません。
慣れるまで多少お時間が必要です
・形状が安定するまでに1週間から1ヶ⽉お時間が掛かります。
・就寝時に装⽤するため、異物感は少ないですがハードコンタクトレンズを着けて就寝することに慣れていただく必要がございます。
注意
担当医の指⽰に従ってください。指⽰に従わずに発⽣した眼障害、その他の障害については本⼈の責任となります。
⾒え⽅が急に変化したり、何か異常を感じた場合はただちに装⽤を中⽌し、速やかに受診するようにしてください。
⾒え⽅には個⼈差があります。治療を受ければ誰でも視⼒が改善するわけではありません。

オルソケラトロジー治療の流れ

①初回検査
・オルソケラトロジー治療が適応可能かを判断する検査になります。
・コンタクトレンズを装⽤されている⽅はご相談ください。
②お試し装⽤
・1週間装⽤体験することができます。
・装⽤開始翌⽇に定期検査を⾏いますのでご来院ください。
③治療開始
・トライアルレンズを返却いただき、新しいレンズをお渡しします。
・治療を開始する場合は必ず同意書にサインしていただく必要があります。
(未成年者の場合は保護者の同意が必要)
④定期検査
・治療開始から以下の⽇程で来院が必要になります。
1ヶ⽉後、3ヶ⽉後、6ヶ⽉後、9ヶ⽉後、1年後(以降3ヶ⽉毎)
・定期検査は治療後の安全性・有効性の確認に⼤変重要になります。
お守りできない場合は途中で治療を中⽌させていただく場合がございます。
・眼の状態により定期検査以外にも来院が必要になることがございます。

オルソケラトロジー治療費⽤について

➤初年度︓両眼165,000円/ ⽚眼90,000円
➤ 2年⽬以降︓年間10,000円/ ⽚眼5,000円 ※治療費

詳細は担当医・スタッフまでお尋ねください。

▧交換保証

・【処⽅交換】6ヶ⽉以内⽚眼1回無料
・【破損】12ヶ⽉以内⽚眼1回無料
・【紛失】全額患者負担
(⽚眼33,000円)

▧返⾦保証

装⽤開始後

・1ヶ⽉以内︓両眼100,000円(⽚眼50,000円)
・2ヶ⽉以内︓両眼90,000円(⽚眼40,000円)
・3ヶ⽉以内︓両眼80,000円(⽚眼30,000円)

を返⾦いたします。(レンズは返却いただきます)
レンズ紛失や破損がある場合は返⾦できません。

▧お試し装⽤

適応検査料︓8,000円・管理費︓26,000円(⽚眼13,000円)・預り⾦︓24,000円
(⽚眼12,000円)をお⽀払い頂きます。お試し期間後、治療に⼊りましたら、初年度
治療費から適応検査料と管理費と預り⾦を差し引かせて頂きます。
治療を⾏わない場合、預り⾦︓24,000円(⽚眼12,000円)は返⾦致します。
破損・紛失の場合、全額患者負担となります。(⽚眼33,000円)

 

▧その他注意点

・オルソケラトロジー治療は⾃由診療ですので、保険適⽤外、全額⾃⼰負担となります。
・オルソケラトロジー治療は、眼鏡やコンタクトレンズのように視⼒矯正ではなく
治療です。従って医療控除申請が可能です(領収書が必要になります)。

※定期検査以外の受診については別途費⽤が必要になります。

弱視

こどもの弱視について

「弱視」とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力がでない目のことを言います。
裸眼視力が0.1以下であっても、眼鏡やコンタクトレンズで矯正して1.0以上の矯正視力がでれば「弱視」ではありません。

人間は生まれてすぐから、はっきり見えているわけではなく、生後1~2カ月くらいで、ものの形や色が分かるようになり、4カ月ぐらいで動くものを追って目を動かせるようになります。 1~2歳ぐらいの頃は、まだ解像度が低い見え方で細かい視標の判別は困難ですが、3~4歳くらいまでに1.0の視標が判別できるぐらいの矯正視力を持つようになり、最終的には両眼視機能(立体的にものを見る力)も含めて、6歳ぐらいまでに「視機能の発達」が完成します。

こどもの「弱視」にはおおきくわけて

  • 1)「未熟児網膜症、先天奇形」など器質的な障害や疾病によるもの
  • 2)「遠視や乱視といった屈折異常」が原因となって視機能の発達が途中でとまっているもの

の2種類があります。こどもの「弱視」で多いのは後者です。

幼少期に何らかの原因でピントのあった鮮明な像が網膜に映されないままだと、細かいものを見るための脳や神経の働きが十分に成長せず、視機能の発達が途中でとまってしまいます。

▧豆知識

「弱視」であっても、よほど重症でないかぎり、見にくそうにしている幼児はあまりいません。特に片眼だけ悪い場合はなおさらです。両親も異常に気付かず、子供が「弱視」と言われても疑問をもたれる場合も少なくありません。

幼児期に弱視を早期発見・治療できるよう明石市や加古郡などでは3歳児検診の際に「オートレフ検査」という屈折異常を器械で測る検査を取り入れています。「オートレフ検査」は機器が非常に高額ということもあって、この検査を導入できている自治体は全国的にもまだ少数です。

幼稚園や保育所での視力検査で異常が見つかり、早めに治療が開始できればまだ良いのですが、小学校以降で「弱視」が見つかった場合は、手遅れで治療をしても作用がでないこともあります。そのため、「3歳児検診にオートレフ検査を取り入れること」、「幼稚園・保育所などでの視力検査で異常が見つかった場合は”弱視”でないかどうか、早めに眼科で精密検査を受けること」が推奨されています。

こどもの弱視治療

「遠視・乱視などの屈折異常」により、視機能の発達がとまっている状態の「弱視」であれば、視機能の発達が完成する6歳頃までに「眼鏡をかけて、網膜にピントのあった鮮明な像を映す」ことで、矯正視力が向上して「弱視を改善すること」が期待できます。

ただし、6歳ぐらいまでに「矯正視力の向上」は、ほぼ頭打ちになり、それ以後の改善は難しくなってくるので、それまでに治療を完了しなければなりません。 弱視治療の基本は、まずは眼鏡装用です。眼鏡で矯正して網膜にピントをきちんと合わせ、鮮明な像を脳に送り、視機能の発達を促すことが必要です。

片方の目のみが特に悪い場合には、健全な方の目をアイパッチで遮閉したり、アトロピン等の目薬をいれて一時的に見えにくくしたりして、悪い方の目の発達を促す方法をおこないます。

弱視や斜視があると両眼視機能(両眼で立体的にものを見る力)の発達も十分でないケースが多くあります。

両眼視機能も、6歳ぐらいまでにきっちり獲得できないとそれ以後の発達が期待できなくなります。斜視の程度が大きい場合は幼少期に斜視手術が必要なケースもあります。

教科書的には6歳ぐらいまでに良好な「矯正視力」や「両眼視機能」を獲得しないとそれ以後の発達は困難とされていますが、実際には8~9歳児で治療が有効であったケースも報告されていますので、小学校低学年以下であれば、あきらめずに治療をおこなうことが推奨されます。

  • 当院では原則として6才未満の弱視斜視診療は予約制にしています。待ち時間がないので、お子さんが検査に集中しやすくなります。また、他の患者さんと別室で検査をおこない、親御さんが検査中も常に立ち会いできるようにしており、お子さんが不安なく集中して検査を受けやすい環境を整えています。
  • 字ひとつ視力表森實式ドットカードなどを備え、幼児の特性にあわせた視力検査が可能です。

眼球の違和感

「目が疲れやすく不快」「パソコン作業中にピントが合いにくくなる」「充血がひどい」「疲れ目で仕事の効率が悪い」など、目の疲れを訴える人が増えてきています。
疲れ目や視力減退にはさまざまな要因があります。

  • 使っている眼鏡やコンタクトレンズが合っていない
  • ドライアイ
  • パソコン作業の酷使がもたらすVDT症候群
  • 緑内障の初期
  • 白内障
  • 老眼
  • 斜視
  • 他の目の病気

ただの疲れだと思って放置していると、目の病気を見逃すことになります。原因をみつけて正しく対処すれば眼精疲労は解消することもあります。